株式会社 ポールトゥウィン・ピットクルーHD | |
銘柄 | ポールHD (3657) |
市場 | 東証マザーズ |
上場日 | 2011/10/26 |
公募価格(仮条件) | 2250円 (2000円〜2250円) |
PER(仮条件PER) | 15.8倍 (14.0倍〜15.8倍) |
主幹事証券 | 大和キャピタル・マーケッツ |
公募売出総額(仮条件時) | 28.8億円 (25.6億円〜28.8億円) |
時価総額(仮条件時) | 95.8憶円 (85.1億円〜95.8億円) |
初値予想レンジ | 2800円〜3000円 |
需給度合(S〜D ) | B |
注目度(S〜C ) | A |
BB参加推奨度(5段階) | ★★★ |
短期参加妙味度(5段階) | ★★★★ |
中長期保有妙味度(5段階) | ★★★ |
<事業内容> ソフトウェア・ハードウェアの不具合の検出を行うデバック・検証事業、及び、インターネットの健全な成長をサポートするためにコンテンツに含まれる違法有害情報の検出や不正利用の検出を行うネット監視事業を主要な事業としている。 ネット監視については人によるチェック、監視が必要な事業領域に対してサービスを提供している。 1.デバッグ・検証事業 デバッグ・検証事業は、ポールトゥウィン株式会社、ポールトゥウィン・アメリカInc、株式会社猿楽庁、上海申発有限公司が行っている。 デバック・検証とは、顧客企業の制作するゲーム等ソフトウェアのプログラムが設計・仕様どおりに動作するか、不具合がないかを確認する作業の事。 近年は家庭用のゲームにおいてもハードウェアの高機能化、ジャンルの多様化に伴い、ソフトウェア開発も複雑化している。一般的にプログラムが複雑になれば不具合の発生率は高くなるため、デバック・検証の需要は拡大しているといえよう。 ※デバッグ・検証事業においては3つのサービスを提供しています。 1-1.デバックサービス 主として家庭用ゲーム、ソーシャルアプリ、モバイルコンテンツ、スマートフォン・タブレットPC用コンテンツ、PCソフト、パチンコ・パチスロ機器等に関するデバックサービス展開している。 1-2.検証サービス 主としてIT家電に関するサービスを展開。日々進化するIT家電やシステム開発では、プログラム量は年々増大、複雑化している。同社では開発中のIT家電、携帯電話、カーナビにおける不具合検出及び動作確認を第三者の観点からテストしサポートしている。 1-3.翻訳サービス 主として家庭用ゲーム、モバイルコンテンツ、PCソフトに関する翻訳サービスを展開。 急速に進展する産業のグローバル化はゲーム業界も例外ではなく、海外で通用する高品質な翻訳の需要は年々高まっている。インゲームテキストから取扱説明書、Webサイト、バグ報告書などの翻訳を行っている。 2.ネット監視事業 ピットクルー株式会社、ポートサイド株式会社が行っている。 インターネット上の有害情報や不正利用を検出・排除している。インターネットは非常に便利なインフラである反面、違法広告、出会い行為、児童ポルノ、学校非公式サイトなど社会的問題となる利用も増加傾向にある。これらの監視ノウハウを用いた方面へ監視事業を展開している。 2-1.ネット監視サービス インターネットサイト監視に関するサービスを展開している。各種Webサイトを運営する顧客企業から依頼を受け監視を行い掲載、削除の対応、監視結果の報告を行っている。24時間365日体制での有人監視を行っている。スクールネットパトロールサービス、広告審査サービス、Web巡回サービス、サーバー監視サービスなど派生する業務も行っている。 2-2.ユーザーサポートサ-ビス事業 主としてゲームのソフト・ハード利用者、インターネットコンテンツ利用者に対する電話・メールサポートを行っている。 3.その他事業 株式会社第一総合研究所、株式会社第一書林が行っている。グループ企業内外からの各種調査業務、出版・メディアに関する業務を行っている。 ※尚、同社では、ネット監視を威圧的なものではなく、安心安全なインターネット環境を実現する為の見守りでありたいという考えから、「ネット看視事業」と称している。 しかし、本文中は社会通念上理解しやすい、「ネット監視」の表記で統一させていただいています。ご了承ください。 | |
<コメント> 同社グループは、同社及び連結子会社8社により構成されている。 顧客は、ゲームソフト開発企業、アミューズメント機器開発企業、ネット関連企業が中心。 デバック・検証事業においては、2009年から北米での現地サービスを展開し、今年8月には英国に欧州支店を設置、グローバル体制の構築を進めている。また、2010年から有人監視とシステム監視を併用したサービス開発も行っている。 類似企業にはデバック検出のデジタルハーツ(3620)があるが、近年の株価動向はボックス圏での動きとなっている。株価は、基本的にコンシューマーゲーム市場との相関が高い。 ここ数年コンシューマーゲーム(家庭用ゲーム)市場は頭打ちの状態にあったが、ここにきてスマートフォンの普及も相まってSNSゲームが大きな市場を形成しつつある状態となってきている。 この事により、ゲーム市場全体が飛躍する可能性が出てきているのではないか。とすると、今後その関連銘柄であるデバック検出事業の需要も拡大する可能性は高いと言えるだろう。 ただ、事業的に見て技術的なハードルがそんなに高いとは考えづらく、類似企業も、デバック事業においてはデジタルハーツ、監視事業においてはイーガーディアン、と既に上場しており極端な高評価は難しそうだ。 公募売り出し総額は、約30億円程度とやや大きめで需給的にタイト感はない。 また、仮条件段階でのPERは、上限の場合15.8倍と割高感のない妥当な水準。 以上の事から、初値は高騰はないものの、公募価格を上回るスムースなスタートを現段階ではイメージしている。 | |
<投資戦略> 初値は堅調なスタートとなりそうだ。 公募売り出しが30億とやや大きい為、初値は2800円から3000円の予想とした。 テーマ的にみると人気のあるネット関連、ゲーム関連でもあり、足元の業績は好調。 PERは16倍程度と公募価格段階で割高感はなく、公募売り出しが30億円という事から、「人気はあるが、そんなに高寄りしないIPO銘柄」になる可能性があり、短期妙味度はそこそこ高い。 ただ、事業に関しては新鮮味はあるものの、ニッチで技術的にはハードルが低い事業であり、深追いは禁物と考えておきたい。 | |
<上場初日分析> |
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